加筆、編集 2024年4月 |
関門海峡では4月に”ヒヨドリの渡り”がみられます。九州から本州に渡って行くヒヨドリの大集団、その光景を見たい思いで出かけてみました。 自宅を早朝に出発、目的地は門司区の部崎(へさき)灯台。途中の九州縦貫道から眺める山々は、この時期には緑や黄色の若葉、山桜のピンクでところどころ彩られていて、とてもきれい。その光景を横目に見ながらの目的地はものすごく近く感じます。目的地に近づくと、ヒヨドリの小集団にたびたび出会うようになります。そうかそうか〜、彼らの目的地も部崎灯台なんだ。 AM7時半に到着。もうすでに渡りのドラマは始まっていました。先客に聞くと、「今日は7時頃に大集団が渡って行った。先日にはハヤブサの攻撃も見た」という話。先客と話をしている間にも次から次の渡りの光景。今日は天気もいいし、素晴らしいひと時になりそう。 この”渡り”の一番の見ごろは4月20日前後まで、しかも、天気のいい午前中だそうです。 |
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今まさに渡ろうとするヒヨドリが、合図をしたように一斉にこずえの間から飛びたちました。(灯台下からの撮影) 飛び出すその瞬間に遅れまいと、必死。遅れると猛禽類の攻撃目標になり、命がヤバイって知っているんですね。『みんなで渡れば怖くない!』って感じ。誰かが「サー行くぞ!」って声でもかけてるんですかね〜。 この集団が大きいか小さいかで、そのまま渡っていくのか、引き返すのかがある程度決まり、小集団にしかならないときは先頭集団が『今回はパス』ってんで途中から方向転換、それにつられて皆引き返し再挑戦です。 |
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灯台側から見た、飛び立つ寸前のヒヨドリたち。気持ちを奮い立たせている感じです。 私もいっしょになって興奮状態、祭りの気分。 |
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関門海峡に飛び出したヒヨドリたち。めざすは対岸の本州です。右や左から他の小集団が加わることもあります。そうなると大集団の編成が出来上がります。このような光景が、何度も繰り返されます。部崎灯台のこの時期はヒヨドリの滑走路といった感じです。 『行くバイ!』、『オ〜』といったとこでしょうかネ。「がんばれよ〜」と応援したくなります。 |
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ここまでの大集団だったら引き返すことはありません。しばらく進むと、海面に向かって滝のごとく急降下です。この急な変化に、見物していた人たちは歓声を上げます。私も一緒に「ウワ〜〜」。 渡りの最中に船舶に出会うと、逆に上昇することもあります。このような光景からでしょうか、”竜の渡り”ともいわれています。 |
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超低空飛行で渡っていくのが通常のスタイル。他からの攻撃に対する防御はこれが一番ということでしょう。上空にだけ注意を払えばいいわけですから。 ”他からの攻撃”、それは猛禽類です。渡りのこの時を常に狙っています。 |
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船に進路を阻まれました。船の前方に回り込もうとしています。 | ||
渡る決心がつかず、途中からUターンしてきたヒヨドリ。 | ||